【店主コラム】「やる気」を育てるアナログゲーム

「もう一回!」

子どもにせがまれてお気に入りの絵本を何度も読んだ経験がある方は多いのではないでしょうか?体験や行動に「満足」を感じるときに「もう一回!」が出るようです。

子どもと一緒に遊ぶとき「もう一回、やりたい!」は聞きたい言葉のひとつ。負けて悔しいはずなのに「もっと知りたい!新しい発見をしたい!」が勝つ。そんな意欲はどこから湧いてくるのでしょうか?

今回のコラムでは感情や人格など「アナログゲーム」を通して育まれる『目に見えない力』について取り上げてみました。

ゲームと聞けばスマホや携帯ゲーム機を使ったバーチャルなゲームを連想される方が多いのでは?今回取り上げるゲームとはサイコロやカードを使ってリアルに家族やお友だちと向き合って一緒に遊ぶ『アナログゲーム』のことです。
日本ではすごろくやかるた、ヨーロッパではボードゲームやカードゲームなど、たくさんのゲームがあります。
ゲームを楽しむには『ゲームを理解する力』を必要としますが、他にも大切なものがいくつかあります。

① やる気・目標への情熱や、熱中・集中して取り込む力
② 負けたときのくやしさ・自分の気持ちをコントロールできる力
③ 他者とうまくコミュニケーションできる力

① やる気・目標への情熱や、熱中・集中して取り込む力
「ボクが一番になる!」「たくさんの宝をゲットしたい!」熱い思いでゲームに没頭します。楽しいことがあると夢中になって気が付けば時間が過ぎている。そんなことの繰り返しから『集中力』が育ちます。

夢中になるとき「遊び」は豊かな「学び」となるのです。

② 負けたときのくやしさ・自分の気持ちをコントロールできる力
負けたとき泣き出してしまうほど悔しい思いをして爆発しそうになる自分を、何度か経験しているうちに自分の感情をコントロールできる力を身につけます。

また負けて悔しい経験をたくさん経験した子どもは、「相手を思いやる力」も備わります。

③ 他者とうまくコミュニケーションできる力
ゲームは一人で楽しむことができません。相手がいてはじめて遊べます。普段はわがままし放題で一緒に遊びたい時だけ仲良くしようとしてもうまくいかないものです。

一対一や数人のグループで楽しく遊びを進めていくうちに、おのずとコミュニケーション能力が身に付き高まります。

読み・書き・計算・運動のように数値で評価できる『目に見える能力』を『認知能力』と言い、やる気・やり抜く情熱・集中力・自信・自己愛・思いやり・やさしさなど『目に見えない能力』のことを『非認知能力』と言います。

『非認知能力』は日々の経験や置かれた環境のなかで育まれ、他者から教わり身につけられる能力ではないのです。またその成果はすぐにではなく後になって出てくることから『あと伸びする力』と呼ばれています。

乳幼児期に『非認知能力』を育むことが、大人になったときの心の健全さや幸福感を高め、社会的・経済的効果を高められると考えられています。

子どもたちが大人になったときには人工知能(AI)の発展がさらに進み、読み・書き・計算はAIに任せ、『目に見えない能力(非認知能力)』の高い人間が今以上に求められていることでしょう。

それらの能力を育むことができる『アナログゲーム』をいくつかご紹介します。

本格的なゲームを楽しめるかは、その子が『じゃんけん』ができるかどうかを目安にしています。3歳前後の子どもはルールの存在は知っているのですが理解するまで進んでいないので、「勝った!」と負けていても、勝敗とは別の観点でじゃんけんを楽しんでいます。

2歳前後の子どもは「グー・チョキ・パー」の指の動きを楽しみ、大人の真似をして喜びます。本格的にゲームを楽しめるようになるのは4歳ぐらいからなのです。

2.3歳からゲームを楽しむ場合は、親子のコミュニケーションが主に楽しめるものがおススメです。「おんなじかな?」「ワンワンはどっち?」「赤をとって」「三角はどれかな?」「ここに置いてみる?」そんな声かけができるゲームを選んでください。

勝ち負けにこだわらず、膝の上に座らせて一緒に遊ぶことをおすすめします。。


2.3歳から楽しめる「はじめてのゲーム」
【クイップップス】 
色と数に興味を持ち始めたらこのゲームがおすすめです。紙のボードのくぼみに、色サイコロと同じ色のチップを入れて遊びます。数サイコロの目が1から3までしかないので、小さな子どもでも楽しめます。


【ペアカード】
わかりやすい絵のカードが2枚ずつペアで入っています。おなじ絵を合わせて遊んだり、カードを横に並べながらお話を作ったり、メモリーゲームとしてあそべます。はじめは「ワンワンどこ?」とコミュニケーションを楽しむのにおすすめです。

主体的に夢中になって遊び込んでいるとき、子どもたちは豊かな学びを得ることができます。時間を忘れて夢中になれるものがあるって素晴らしいことなのです。

「うちの子、少し集中力が・・・」なんて思われたお母さんがいたら、まだ夢中になれるものが見つかっていないのかもしれませんね。子どもの心にそっと寄り添って一緒に探してみるのも良いかも。

また、ありのままを受け止めてくれる大人の存在はとっても大きいものです。そんな大人が周りにいることで、子どもたちは自分の気持ちをコントロールして、自発的に主体的に物事に取り組むようになれます。

ぜひ「アナログゲーム」を通して、子どもたちの「もっと知りたい!新しい発見をしたい!」を湧きたたせ、やる気・やり抜く情熱・集中力・自信・自己愛・思いやり・やさしさなど、大人になっても大切にしたい『目に見えない能力』をゆっくりと自然体で伸ばしてみませんか?

※4歳から大人も楽しめる「話題のゲーム」・・・。こちらについては【「やる気」を育てるアナログゲーム・その2】でご紹介します。

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