デポーコラム～まちなかの森からあなたへ〜①生涯のおきゃくさま

「ぼく、この人と、結婚します」。

つい先日、そういって、傍らに立つ彼女を紹介してくださったのは、
ちいさなころからお店に通ってくださっていた３兄弟のGさん。

「昨日、婚約しました」といって来店してくださいました。

やんちゃな男の子だった時代は、
ご両親とご兄弟で毎年のようにネフ社などの積み木やMICKIの汽車セットなどを
ご購入してくださっていた常連さんです。

立派な男性になって、ご婚約の報告までしてくださって、
わたしの目からは涙が溢れました。

こんにちは、店長西原です。

Gさんのように、デポーには生涯を通じて、
おつきあいをしてくださっているお客さまがたくさんいます。

別の日には、もう20年以上のおつきあい、常連Hさんの息子さん。
彼は運転免許が取れたときにも「免許が取れたんよ」
と報告に来てくれましたが、今回は彼女さんを連れてのご来店です。

ふたりで店内をゆっくり回りながら
「これ、ぼくが子どものときに遊んだんよ」と語り合っています。
お母さんに抱っこされていたあの赤ちゃんも、すっかり頼もしい青年です。

もちろん、初めてのおきゃくさまも、
常連さんたちのように、ゆっくりと店内を楽しんで下さっています。

おや、６か月ごろの赤ちゃんを抱いて、
すこしお顔が曇っているお母さん。どうしたんでしょう？

「離乳食を食べてくれなくて…」そうですよね。
離乳食、食べてくれないと不安になりますよね。

せっかく作っても、放り投げるんですか？
それは悲しいですね。
一生懸命、赤ちゃんのために頑張ってらっしゃるのに、食べてくれないと…。

「うちの子、ちゃんと、栄養摂れているか心配で心配で」。
不安なんですね。でも、だいじょうぶですよ、お子さん見てください。
こんなにスクスク笑顔で育ってる！お母さんの愛をたっぷり受けてるじゃないですか。
あ…、大丈夫。好きなだけ泣いちゃってください。
もう十分に頑張ってるもの。頑張りすぎないで大丈夫。大丈夫。

こちらは、お子さんが赤ちゃんの頃から通ってくださっていたベテランお母さんの常連さん。
「子育てしていたときにここがあってよかった」とおっしゃってくださって、

嬉しそうに「孫ができたの」とご報告してくださいました。

お子さんが独立した最近は、
ご自身のためのオーガニックな食品やお洋服などを購入してくださっていますが、
今度はお孫さんのおもちゃのご準備ですね。

20年前にお子さんが使っていた木のおもちゃを手入れしなおして、
パーツ取り寄せや、修理のご依頼です。
「本物のおもちゃは、世代を超えて使えますね」

最近、どんどん「子どもに使っていたのを、
孫のために修理したい」というご注文も増えています。

２５年という月日を経て、やってきた
わたしたちには、とてもとても、嬉しいご依頼です。

こんな風景がデポーの毎日。
みなさんの人生を、半世紀も一世紀も動き続ける壁に掛けた木の時計が、優しく包み込みます。

そう、ここはみなさんが帰ってきてくださる「まちなかの森」。
森は、ひとの一生を包み込みます。
初めてのおきゃくさまも、長年のおきゃくさまも、
「生涯おつきあいさせていただく大事な方」なんです。

なぜ？デポーがお届けしているのは「商品」ではないからです。

わたしたちデポーがお届けしているのは、
あなたや、あなたの大事なお子さんが、
その品を使うときに生まれる
「かけがえのない親子の時間」。

例えば、木の積み木「ベビーキューブ」なら14,080円かもしれません。

だけど、デポーは
「積み木とともにお子さんとあなたが過ごす豊かな20年」をお届けしていると考えます。

だから、一見さんも、常連さんも
商品を通じて10年も20年もおつきあいの続く「生涯のおきゃくさま」。
デポーは、みなさまの生涯にわたって
「しあわせに子育てしたい」「ていねいに暮らしたい」という思いに、
地球でいちばん寄り添うお店になりたいと思っています。

ぜひ、一度、実店舗で、この「地球でいちばん」の空気を深呼吸しに来てくださいね。

【デポー年輪ものがたり：もくじ】

《第1話》
デポーコラム～まちなかの森からあなたへ～プロローグ

これからの予告

②“はたらく”いちまいの張り紙『子どものおむかえにいっています』
③ そだつ”おもちゃと赤ちゃん
④ くらす”――里山の丁寧なくらし
⑤一時退院して、いちばんにデポーに来てくださった、ちいさなお客さま
⑥ 修理は、ご家族の思い出を支えるとても幸せな作業
⑦木がつなぐ、木がいやす、止まった心の時間
⑧ママという役割は、もっとシンプルでいいんですよ
⑨ありのままの、わたしでいい。ありのままの、わたしがいい
⑩いつも、誰かが気にかけてくれるから
⑪夢が、実現する場所
エピローグ　25年後の夢　みんなの育ちを育む、まちなかの森